来月7日にITパスポート試験、通称iパスを控えている。受験の動機の半分は、情報セキュリティガバガバの弊社で、ひとり情シスをやるため。もう半分は趣味。これは受かったな、という感触がすでにある。過去問を解きはじめてすぐ、90%前後の正解率をつねに出すようになった。しかも、さいわいにも(そしてめずらしく)「よし、勉強するぞ!」と重い腰を上げる意識をもつことなく、空き時間にクイズ感覚で取り組めている。
試験勉強ってわりと楽だ。問題が設定されているということは、正解が決定されているということだから。むろん、楽だと感じられるのは、対象に正の関心をもっている場合にかぎられるけれど。私の場合、iパスはとても楽だ。文章を書いたり、楽器を弾いたりするより、頭も手も使わない。最近は、まんがを描きたいのになにも思いつかないときなんかに、iパスの「過去問道場」にアクセスする。「カフェの窓際に腰かけて小さな画面を凝視するだけの体力は残っているけれど、ものを考える頭は疲れきっている」みたいなときが頻繁にあって、iパスはいつもうってつけの娯楽になってくれる。
採点基準の明瞭な試験は好きだ(すなわち採用試験はここに含まれない)。<時間内に問題を解けば合格する>という、唯一絶対の規則に従えば目標を達成できる。舗装された道をひたすら歩けば目的地にたどり着く、そんなような単純さが好きだ。「過去問を解く」という行為は、私のなかで、供された料理を平らげるとか、流れてくる映像を眺めるとかいったことによく似ている。
「楽な試験勉強をしても、実りは少ないのではないか」と立ち止まったこともあるけれど、いまではべつにそんなこともないような気がしている。楽か苦か、がんばっているかとかいった主観と、取り組みが有意義かそうでないかってぜんぜん関係ない。その点、iパスは私にとってお得だ。さながら、クイズに答えるだけでITの基礎知識が身についてゆくしくみ。うれしいものだ。
iパスに合格したところで、転職で有利になったり、給料が上がったり、急になにかつくれるようになったりはしない。でも、たぶん、なにかをつくってみるつもりになったとき、頭のなかにあるリファレンスの一ページになってくれる。だからおもしろい。ひららか的・趣味で取るのにちょうどいい資格、暫定一位。
ただちょっと、iパスはものたりない。次は基本情報技術者試験を受けてみるつもりだ。