マクロミルで小遣い稼ぎすんのやめた。日本最大規模のアンケートサイトだったかな。私的な情報を切り売りしてわずかな金銭に換えているみじめな自覚はもともとあったし(そういう感じかたをしちゃう私は、はじめから向いていなかったんだね)、さまざまの質問項目にため息を誘発されることはほぼ毎日で(なんでいままでやめなかったんだろ)、さっき、とうとう限界がきた感じがして、やめた。ストレスを我慢して我慢して1,500円もらったようなものだった。
きょうのファッキン無礼クエスチョンは、自身の考えにどの程度近いかを答えるタイプの短文で、そのなかみが「自分の周りにLGBTQの人がいても、特にこれまでと変わらず接すると思う」。おいおい。周りがなんだよ。自分だよ。バイセクシャルは私だよ。
かなり有名な大企業の商品に関するアンケートだったけれど、マーケティング担当者のなかに、「当事者が閲覧するかも」という単純な可能性を想像するだけの知性をもつ人はひとりもなかったの? そのことに、はてなき疲労と倦怠を覚えた。従業員のなかにだって、一定数の当事者がいるに違いないのに。
セクシャルマイノリティとして、ずっと不可解でたまらないことがある。だれもが「どこかには絶対いる」って知っているのに、「これまで出会った人のなかにいるかも」ってだけのことに気づかないのはなぜ? 多くの善良なる無知の人は、どうして「どこかにいる」から「ここにいるかも」を導きだすだけのことができない?
上述の一問については、このあたりでやめる。わざわざ当ブログを読みにきてくれる人に、あらためて説明すべきことがらはない。
マクロミルのファッキン無礼クエスチョンはほかにもあって、とはいえ、アンケートを作成した企業の配慮が致命的に欠如しているというわけではない。マーケティングのやりかたはマーケットしだいであり、質問項目は世間の価値観を反射する鏡にすぎないから。ゆえに深刻だ。いち企業の発する問いに人権上の問題が含まれているとき、それはこの社会全体の未熟さを映しだしている。
ご自身の考えに近いものを選んでください。異性にモテたい。若さは最大の武器である。身だしなみはマナーである。家電は日本製でなくても気にしない。結婚はそのうちしたいが急いでいない。エトセトラエトセトラ。おファックですわ。選択肢のなかに私がいません。